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2015.04.28

  • 海外現地レポート

マカオ視察研修旅行

マカオ視察研修旅行

3月中旬に、海外研修担当の先生方を対象とした『マカオ視察研修旅行』に同行しマカオに行ってきました。今回ご参加頂いた先生方は大学から3名、中学高校から3名とマカオ政府観光局の齋藤様にもご同行頂きました。

出発は3月22日(日)羽田空港から先生方5名と齋藤様と私の計7名、関空からは先生1名が出発し、経由地の香港にて合流という旅程です。今回の渡航先マカオに向かうには、マカオ航空の直行便を利用するパターンと、航空機で香港まで向かい、香港からフェリーでマカオに向かうパターンの2パターンあります。今回は後者での渡航となりました。1つ日本出発時のポイントとして、出発空港でのチェックイン時に香港行きのEチケットと香港~マカオ間のフェリーチケットを同時に提示すると、スーツケースはマカオ到着時に受け取ることが可能で、経由地の香港空港でピックアップする必要がなく非常に便利です。

香港空港からマカオ入国審査まで

香港空港は、かつて九龍にあり香港市内のビル群スレスレを航空機がすり抜ける光景が印象的で、TVや映画等でもよく放映されていましたが、現在は新設された2つのターミナルとサテライトを持つアジアを代表するハブ空港に生まれ変わりました。その香港空港に到着し、関空をご出発された先生と合流。フェリーターミナルまでシャトルトレインで移動した後、フェリーに乗船しマカオに向かいました。香港~マカオ間のフェリー乗船時間は50分程です。マカオ到着前の船内から見る夕景に、カジノのネオンサインが輝く姿が印象的でした。マカオ到着後、入国審査。ここではパスポートに印は押されずに入国証明としてレシートを渡されます。(印が無いのは少し寂しい感じがしますが、入国記録はデータ管理されている為、このレシートを無くしてしまっても全く問題はありません。)入国審査後は、スーツケースをターンテーブルで受け取り、到着ロビーで現地ガイドのジュリアさんと合流。今回宿泊予定の「ハーバービューホテル」に向かいました。この「ハーバービューホテル」は、マカオ・フィッシャーマンズ・ワーフに建つ2015年2月に誕生した4つ星ホテルです。フェリーターミナルから車でわずか5分という立地の良さも魅力です。今回、日本人のグループが宿泊したのは初めてとの事でした。この日の夕食は、中国とポルトガル文化の融合した街マカオらしいポルトガル料理とマカオ料理が並ぶバッフェをお腹一杯頂きました。

マカオという国

マカオはカジノのイメージがとても強いのですが、西洋と東洋の文化が共存する世界にもまれにみる国です。ポルトガル文化の影響を受け、石畳とアズレージョと呼ばれる青色の装飾タイルが街中にあふれ、散策しているとポルトガルを旅行しているのでは?と勘違いしてしまう程です。また中国文化も色濃く反映され、中国思想家の邸宅や寺院・廟も多く存在します。そして何より教育旅行先として魅力なのは、30ヶ所もある「世界遺産」が歩いて簡単に巡れる事です。マカオの街中を散策するだけで、昔歴史の教科書で勉強した「宣教師」「キリシタン大名」「南蛮貿易」等、中世日本の政治や社会に影響を与えた南蛮世界を直に体験できます。2日目は、2005年にユネスコ世界遺産会議で世界文化遺産に登録されたこの「マカオ歴史市街地区」を散策しました。

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アズレージョの装飾が街中にあふれています

マカオ歴史市街地区

まずは、マカオのシンボル的存在「聖ポール天主堂跡」から街歩きはスタートします。マカオのランドマークでもあるファザード(正面の壁)には、イエズス会の布教の歴史が刻まれ、ファザード奥にある天主教芸術博物館には日本人信者の遺骨が納められています。両側にポルトガル風建築やネオクラシック様式の建物が並び、ポルトガル的な景観と雰囲気にあふれた「セナド広場」。最もポルトガルらしい建物と呼ばれる「民政総署」。聖フランシスコ・ザビエルの遺骨(右腕の一部)を安置した「聖ヨセフ修道院」。マカオの名前の由来にもなったという説もあるマカオ最大の中国寺院「媽閣廟」等、半日で歩いて廻れる世界遺産が街中にあふれています。参加された先生方も興味深く写真を撮られていましたが、生徒が自分の興味と関心で行動する自由行動エリアに最適だと実感された事でしょう。また、こういったマカオの歴史、日本の歴史は、渡航前の事前学習に取り入れ安いというのも1つの大きなポイントです。この街歩きの際に、現地の高校生や大学生と一緒に行動する事も可能ですし、安全で生徒の動きを管理・把握しやすいというのも特徴です。地元の市場(肉、魚、野菜、衣服等を陳列)も見学でき先生方は大変喜ばれていました。

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街の至る所に世界遺産の標識があります

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世界遺産セナド広場


 午前中の「歴史市街地区」の散策後は、地上338mのマカオタワーにある展望レストランにてバッフェの昼食。展望フロアからの眺めもさることながら、このタワーでバンジージャンプや、スカイウォークを楽しむ事も出来ます。昼食中に人がバンジーで飛び降りる姿を眺めるのは。。。いささか微妙でしたが。。。午後は、モータースポーツの展示物が豊富な「グランプリ博物館」とポルトガルワインの歴史が展示された「ワイン博物館」の視察。その後「マカオ大学」を訪問し、学生ボランティアの案内で大学構内をキャンパスツアー形式で視察しました。

マカオ大学

「マカオ大学」は2014年に中国領土内に移設され、マカオにいながらにして中国領内にあるという何とも不思議なキャンパスです。大学を訪問するには海底トンネルを抜け中国領内に足を踏み入れますが、特に入国審査はありません。広大なキャンパス内に学生寮やショッピングモール、観戦スタンドを設けた球技場、消防署や警察署もあります。また、大学のシンボル的建物である図書館は、マカオ最大の図書館で蔵書は210,000冊、5階建ての近代的な建物はとても印象的でした。

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マカオ大学にて

マカオのポルトガル料理

その後、修学旅行の学生向きな「グランドビューホテル」の視察。夕食はマカオでも有名なポルトガル料理のレストランでした。このレストランは先日、某日本のTV番組の撮影で久本雅美さんも絶賛されていたようです。先生方の一押しは「バリャカウ」という鱈のコロッケと、カニみそを使ったグラタン。世界遺産散策に美味しい料理を頂き、視察旅行に来ているのを忘れてしまう充実した1日でした。

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カニみそのグラタン

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バリャカウ(鱈のコロッケ)

マカオパンダ館

3日目は「マカオパンダ館」の視察からスタート。実はマカオにもパンダがいるのです。中国からレンタルで連れてこられた2頭のパンダのうち、1頭は亡くなってしまったそうですが、残り1頭のパンダの為に、24時間空調完備で監視されているパンダ御殿ならぬパンダの飼育施設があります。東京上野動物園のパンダを見学するには、流れ作業のように一瞬しか見る事が出来ないパンダの為に、わざわざ長い行列に並ばなければなりませんが、ここでは、パンダの見学時間が予約制となっている為、予約時間内は好きなだけパンダを眺められます。ただし動いているパンダを見学するのであれば、
パンダは日中昼寝をしている事が多いので、朝の餌やりの時間がいいそうです。
「マカオパンダ館」を視察した後は、コロアン地区の「グランドコロアンビーチリゾートホテル」の視察をしました。市内のホテルとは違ったカジノを併設していないのどかな場所にあるこのホテルは、実際に関西の女子高が修学旅行として利用しています。また違ったタイプのホテルを視察した後は、ホテル系、ツーリスト系などホスピタリティ専門の大学「旅遊学院」の視察をしました。

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マカオパンダ館ではパンダが元気に餌を食べていました

ホスピタリティ専門の大学"旅遊学院"

ここでは、学校の担当者から大学についてパワーポイントを使ったプレゼンテーションの後、学内を視察させて頂きました。学内では、一流シェフのもとで調理を学びメニューも考案するキッチン施設や、ソムリエを目指す学生の為のワイン講習の教室や、ホテルの顔でもあるフロント業務や室内清掃をするハウスキーピングを学ぶ為に併設されたホテル(実際にお客様が宿泊できる施設)など21世紀のツーリズム産業を担う若者が集う、活気あふれる学園内を視察する事が出来ました。この日の昼食は、学園内に併設されたレストランでの食事でした。学生が配膳を学ぶ中での昼食でしたが、レストランの雰囲気も味も絶品でした。実はこのレストランは、直営レストランといっても単なる学生相手の学食ではなく、ミュシランガイドには一流レストランと並んで紹介されています。先生方の中には珍しい鳩肉を召しあがっていらっしゃる方もいました。

聖パウロ学院

昼食後の午後の視察では、「聖パウロ学院」という現地の中学高校を訪問しました。ここでは、実際の授業を見学させて頂きましたが、見学された先生方は驚きを隠せませんでした。授業内容は全て英語、電子黒板を使った授業では教科書は一切使用せず、生徒は全員タブレット端末を使用し、授業中の問題、回答は全て端末を使って行われている。まさに未来の学校の姿がここにはありました。教育現場におけるIT化という部分では、日本はあきらかに遅れをとっていると認めざるを得ない光景だったと思います。その状況が良いのか悪いのかは別にして、先生方にとっても我々にとってもいろいろな面で感心させられる訪問となりました。
学校視察後は、昨日に引き続き修学旅行の学生向けホテル「タイパスクエア」の視察と、それとは全く対照的なマカオを代表する「ベネチアンホテル」の視察。

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タブレット端末を使った授業に感心させられました

ベネチアンホテル視察

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ベネチアンホテル

この「ベネチアンホテル」は宿泊するホテルという意味では決して研修旅行向けホテルではありませんが、マカオの最新リゾートエリア「コタイ地区」の開発エリアの発展を見学するという意味では、もうひとつのマカオという国の姿を感じられる場所だと思います。ホテルの客室は全室スイートルーム、ホテル内にあるカジノは東京ドームよりも広い51,000㎡、ベネチアンという名のとおり、ホテル内に運河が流れ、ゴンドラにも乗船できる、またブランド物はほとんど手に入るのでは?というくらいにショッピング施設も充実しており、そばには大きなフードコートが併設されています。
今回、普段では見る事の出来ないホテル内の「アリーナ」(格闘技の試合やコンサート施設)も見学でき、先生方は見るもの全てに圧倒されていました。夕食はこの「ベネチアンホテル」内のレストランで、マカオ料理とポルトガル料理のバッフェ。皆さんマカオ最後の夕食を満喫されていました。

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ここもホテル内 フードコート

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ここもホテル内 運河が流れています

帰国の途へ

そして最終日。午前中は自由行動という事で各自自由に過ごして頂きました。午後から少し早い昼食を兼ねMGMホテル内の視察。この時期ホテル内で特別展を開催していたので、その展示を見学した後に、フェリーの乗船時間に合わせて少し早めに飲茶料理の昼食。昼食中に、今回の視察研修旅行の感想をご参加された先生方から頂きました。

「この4日間はとても刺激的で、マカオは研修旅行先として価値がある。」

「日本との関わりを知るという意味で修学旅行が出来る。」

「マカオに対するイメージが変わった。」

ご参加頂いた全ての先生方から、非常に前向きなご意見を頂戴する事が出来ました。

昼食後は、フェリーターミナルでチェックイン。スーツケースは経由地香港ではなく、日本で受け取れるように手続きをし、4日間お世話になったガイドのジュリアさんとはここでお別れ。マカオの出国手続きを済ませ、フェリーで香港へ移動。香港空港到着後、羽田行きと関空行きに別れ、それぞれ帰国の途につきました。

海外学校旅行、教育旅行先としてのマカオ

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聖ポール天主堂跡前で参加者と

今回の視察研修旅行では、限られた4日間の中でマカオの魅力を最大限お伝えする努力をしましたが、まだまだ伝えきれなかった部分がたくさんあったと思います。そして私自身もそうでしたが、ご参加された先生方の感想からも分かるように、マカオへ訪れてみないと本当のマカオの魅力を知る事は出来ないと思います。またこの視察研修旅行では、マカオ政府観光局様のご協力を頂き実施する事が出来ました。この場を借りて厚くお礼申し上げます。皆さんもぜひ歴史と文化の街・グルメの街・レジャーの街、教育旅行のテーマが豊富なマカオにぜひ、訪れてみませんか。

営業部 五十嵐雅之