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2020.08.03

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【福岡営業所】フィンランド・北カレリア③

フィンランド・北カレリア③

2019年11月に視察で訪れたフィンランド・北カレリア地方について紹介しています。

今回はフィンランドの幼保園と未就学児教育についてお伝えします。

教育機関(幼保園)

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今回訪問した幼保園では、保護者の仕事時間に合わせた預け方が出来るシステムになっていて、子供たちは年齢と預かる時間によって少人数のグループに分かれて活動を行っていました。

子供達を預けられる時間は朝の6時から夜23時まで、それに伴い保育士さん達もシフト制になっています。

税金を納めながら働く保護者にとっても、安心して子育てと仕事を両立できる様に、人に優しい社会のシステムになっていました。

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園内の様子

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園児の作品

北カレリア・ヨエンスの幼保園では、先生一人当たりの生徒数は5名前後で、複数の保育士がチームになって子供達のケアをするそうです。

園内には看護師さんも複数名在席していて、障害がある児童も健常児と同じクラスで同じ教育を受けられるよう、先生の数を増やして対応していました。(特別クラスを作って別授業を行うことはないそうです。)

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授業の様子

給食の際、3歳児以上はプラスチックの容器ではなく、陶器のお皿とグラスを使い食事をしていたのも興味深かったです。

プラスチックの容器と陶器では味に違いが出てくることを教えているだけでなく、落とすと割れる陶器を使う事で、危険と安全についても同時に学びます。

割れると危険だから使わせないという考え方ではなく、幼児自身が自分の経験から学ぶ場を設けていました。

また、陶器のお皿を使うことは、この幼保の年齢に多く見られる「遊び食べ」にもとても効果があります。

給食を通じての「食育」の視察でしたが、生きていく為の総合的な学習の話を聞いてる様な気がしました。

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給食センターからの給食を取り分ける様子

フィンランドでは、外遊びを重視し、「自分で決めて自分で遊ぶ」という幼児期から、自分で考えることを大切にしています。

自由遊びで何をするのかは、子供達自身が決めるので、想像力を育むことにもつながるそうです。

必ずしもみんなで同じ遊びをする必要はないという、日本とは異なる考え方を学ぶことができました。

また、毎日、午前と午後の各1時間は外遊びの時間を設けていて、氷点下の冬の時期でも雪の中でアウトドアの体験学習は欠かさないそうです。

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雪の中でも元気に遊ぶ園児

カレリアでは近年、移民の方々が移住してきているという現状があります。

今回訪問した園でも様々な国からの移民の幼児を受け入れており、壁に各国からの園児たちの紹介がありました。

最初はフィンランド語も英語も話せなかった移民の両親を持つ幼児が、卒園時には英語やフィンランド語をマスターし、子供たち自身の言葉で表現している作品にはとても感銘を受けました。

また、園内には違う言語で書かれた同じ絵本などが置いてあり、カレリアの子供たちにとっても、幼少期から様々な文化や多様性に触れる環境がありました。成長と共にグロ-バル社会が日常になっていると感じました。

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各国からの児童の紹介文

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様々な国の言葉で書かれた絵本

教育機関(未就学児教育)

フィンランドの幼保園では、小学校入学前の園児(6歳)を対象に、就学前教育として計算やアルファベットを学ぶ初等科教育のシステムがあります。

小学校の授業にスムーズに移行するための準備期間に当たり、一部有料の幼保園とは違い、義務教育としてフィンランドに住むすべての児童に無料で提供されます。

就学前教育を行う6歳児の教室では、子供達一人一人が机に向かって学習する姿が見られました。

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小学校入学前の園児に対するクラス

次回は、北カレリア地方の小学校について紹介します。

ご質問・お問い合わせ等がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

営業部 村里


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